中村馨章 個展
『Cyborg Butterfly: Threshold』 ホワイトストーンギャラリー銀座新館
ホワイトストーンギャラリー銀座新館にて、中村馨章(なかむら・よしあき)の個展『Cyborg Butterfly: Threshold』が開催される。ギャラリーでは4度目となる本展は、作家が長年追究してきた知覚の境界とコミュニケーションの再構築を、より深い次元へと押し広げる試みだ。
幼少期から感音性難聴を抱え、2000年には完全失聴に至った中村は、2012年に人工内耳を装用したことで世界の見え方・聞こえ方が劇的に変容した。モノクロームの静寂に近い世界は、色彩とざわめきが折り重なる多層的な空間へと変わり、その経験は以降の制作の根幹を形づくっている。
本展は、Cyborg Butterfly と Threshold の二つのシリーズで構成される。
PRESS RELEASE
■ Cyborg Butterfly
「異なる感覚間の対話」をテーマに、絵画表現を拡張したシリーズ。全作品に骨伝導スピーカーが内蔵され、鑑賞者が描かれた蝶の一部に触れると、視覚の残響としての「音」が立ち上がる。 人工内耳によって作家自身が経験した感覚の再編成を、視覚・聴覚・触覚の三層で追体験できる作品群である。
■ Threshold
観る者の内省を促し、「音の視覚化」を誘発する参加型インスタレーション。作品の形式よりも、鑑賞者との相互作用を重視し、リレーショナル・アート をさらに拡張する試みとなっている。
日本画に音響要素を取り込み、作品を媒介として未知の知覚領域を探る中村の実践には、「身体の変容」「音と沈黙」「日本の美意識」が一貫して流れている。 予定不調和な知覚の揺らぎが開いていく瞬間を、ぜひ会場で体感してほしい。
※作品に触れて体験できる機会は、6月5日(金)のレセプションおよび6月20日(土)のイベントに限られる。
作家プロフィール
中村馨章(YOSHIAKI NAKAMURA)
東京藝術大学日本画博士後期課程(2015年)、メリーランド・インスティテュート・カレッジ・オブ・アート大学院(2020年)修了。 初期より、日本画の文脈を基盤に、聴覚と視覚、そして自己と他者のあいだに横たわる境界を探求してきた。静寂を基調とする世界観は、聴覚障害者としての経験を反映している。
2012年に右耳へ人工内耳を装用したことを契機に、音声・視覚・時間の知覚が大きく変化。現在の作品に見られる色彩感覚や空間構成、さらには言語感覚やコミュニケーションの在り方にも深い影響を与えている。
展覧会概要
中村馨章『Cyborg Butterfly: Threshold』 会期:2026年6月5日(金)〜6月27日(土) 会場:ホワイトストーンギャラリー銀座新館 営業時間:11:00–19:00 休館日:日曜・月曜 所在地:東京都中央区銀座6-4-16 詳細: https://www.whitestone-gallery.com/ja/blogs/gallery-exhibitions/tyo-n-yoshiaki-nakamura-06-2026
関連イベント
■ オープニングレセプション
2026年6月5日(金)17:00–19:00 どなたでも参加可能。 「Cyborg Butterfly」シリーズに触れて体験できる貴重な機会。 アーティスト在廊、ドリンクサーブあり。
■ トークイベント
2026年6月20日(土)15:00– 登壇:中村馨章(アーティスト)、伊藤亜紗(美学者) 作品に触れながら、身体感覚を通して制作への理解を深める対話型イベント。 参加費:無料 定員:20名
